試作品の微調整や製作小話
もう1月も二週間を切りました(*´ω`*)
少し作業を止めて考え事をしているとあっという間に春になってしまいそうです。
さて、今回はテスト中の試作品についてや、一部製品の変更点などを書いていきたいと思います。
◆試作品HP502MR
この個体は昨年1個だけ実験的に作ったもので、潜行深度1.8mあたりでカバー回避性能もSRモデルのHP502と同等のものをと考えたものです。
リップのセッティングを控えめにしたのと、前後長の短いボディでウエイト位置の変更も無しで作ったので潜行深度は1.5mほど、アクションがややワイドになり、正直釣れると感じるところから微妙に外れたものになっています。
このあたりはリップの角度や長さ、ウエイト位置の前進で解決できますが、この状態でウッドカバーを通した時の回避性能が問題でした。
悪いのならすっぱり諦めて仕様変更に踏み切れるのですが、ここ2年ほどカバークランクに傾倒していた自分がびっくりするぐらい良かったので、これを弄るのかと困り果ててしまう結果になりました(笑)
いつもなら問題点を2,3個まとめて解決するところですが、これはもうひとつずつ解決するしかないなと。
長い間保留にしていましたが、ヒシモの小さなポケットなどの「距離は短いけど少しでも潜ってほしい」というところで使いたいというのがあり、そしてその際に高い回避能力が絶対必要なので、それらをストレスなく長時間使えるレベルに納める必要があります。
ノーマルのHP502が、サイズを選ばずとにかく釣っていくというタイプなので、その性質を引き継いだアクションであることも重要です。
完成形は頭の中に描けているので、多少時間はかかりますが(主に製作時間)、問題なくできそうです。
次にFL62の変更点です。
今までユーザー様がお使いいただいているものでベリーアイが破損したという話は聞いておりませんが、強度アップの為ベリーアイの付け根を数回ツイストしてワイヤーの硬度を上げることにしました。
フロントアイも内部の仕込みを変更して、張り合わせ時にセンターから外れにくく、アイの内径が安定するセッティングにしてあります。
これは製作精度の向上とアクションのバラつきを抑える為です。
現時点でオーダーされていて、まだ完成のお知らせが届いていないお客様から上記の仕様になります。
全てのモデルで必要かというとそうでもないので、ベリーアイについてはバスの平均サイズが大きいCATHERINEシリーズと強度・精度が必要なFL62、フロントアイの仕込みについては縦アイのモデル全てですでに変更済です。
ここからはルアー作りの小ネタ的なお話です(笑)
写真はHP502の断面です。
私は切断やワイヤリング等の指示線を入れる際には細軸の油性ボールペンを使っています。
線が太いとやはり精度が悪くなってしまいます。
仮に線の太さが0.5㎜のものですと、線の内側と外側で0.5㎜の差があるわけで、線の内側で切ると決めておかないと1㎜単位で狂います。
これが積み重なるとシェイプがバラバラになり、内部ストラクチャーに関してはワイヤーやウエイトがきれいに入らないばかりか、バルサを貼り合わせることができないといった具合になります。
なので、できるだけ細くはっきりとした線を引ける細軸の油性ボールペンを使って、面倒ではありますが内部の配置をひとつずつ描いていくという原始的な方法を取っています。
特に前述のFL62はシンプルなので一見作りやすそうに見えますが、その分ワイヤーの加工に気を使ったり、塗装までにきっちりとした平面を作る必要があるのでサンディングの手間がラウンドボディよりもかかります。
加えて最近のバルサシートの精度が酷く、厚みがそれこそ1枚の板の中でバラバラという状態なので、すべてのモデルでバルサを貼り合わせた状態からノギスで測りながらボディの寸法を出すという工程も発生しています。
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±0.7㎜というのを見たときにはメーカーに電話しようかと本気で思いました
昔は適当に掴んできても状態も精度も良いバルサを手に入れることができましたが、ビルダーがバルサの木を植えるといったことが必要になるかもしれません(笑)
試作品も製品も少しずつですが、年季が反映されていけばいいな、と思っています。
それでは皆さん良い釣りを(o^-')b
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